花婿目線で結婚式を総括してみた NO.6「そんな装備で大丈夫か?」──結婚の初クエスト『挨拶』に挑む前に

◼︎いざ戦場へ。でも、そんな装備で大丈夫か?
戸籍を理解し、それなりに婚姻の重さもわかってきたところで、いよいよ挨拶という名の戦場へ。
とはいえ、勢いだけで挑んでも、若兵を戦場で待つのは死だけである。なにを話すべきか、なにを着ていくか――準備は必要だ。
◼︎段取りは避けられない
親を巻き込むイベントに、段取りはつきものだ。
絶対に避けられないし、「これはもう仕事」と思って取り組むほうが心がラクである。
誰が誰に連絡する?予約は?当日の動きは?
これらを差配するのが男の役目―である。

◼︎具体的には何をすべきか?
まず、日時を決める。
①候補日を出して、何日の何時に、というところまで嫁→義母ルートで調整が必要。
②次に、場所を決める。自宅か、外か。今は外で会うのが主流だが、このあたりのニュアンスも探りながら決めていく。
外で会うなら、居酒屋はNG。
相手の家から何駅か離れた、小洒落て落ち着いた雰囲気のある、評判の良いレストランが望ましい。
サービスが良く、料理も美味しい店を探そう。しかも、お呼びする側なのだから、おごられる気満々ではいけない。こちらが全額払ってもいいくらいの覚悟で店を選ぶ必要がある。財布と相談だ。
◼︎当日に求められるのは「主体性」
ここまでくれば、80%はクリア。
あとは自分が何者で、どこに住み、どんな仕事をしているかを言えるようにしておく。
だが、本番で重要なのは、**「主体性」**である。
「メニュー…どうしましょうか?」なんて、間違っても言ってはいけない。
頼んでなければ、男として腹を括って決めろ。誰も怒らない。むしろ、みんな探っている。
「新・家長」として、チームの頭張ってやってきます、夜露死苦!
くらいの気迫でいかないと、場がグダついて
「おい、こいつ大丈夫かよ〜」の空気になるのは目に見えている。
◼︎家族イベントは、会社の宴会よりグダる
「そんなに気張らなくても…」と思うかもしれないが、
会社の飲み会より家族イベントの方が確実にグダる。
なぜなら、全員が探り探りで、誰もリードしないからだ。
上司も先輩もいない。フォローもない。そして、空気が死ぬ。南無。
この“死”を避けるためにも、**「俺が引っ張る」**という覚悟が必要になる。
親挨拶はその第一号案件である。
ここで「仕事でもないのに面倒くさい」と根を上げるようでは、
結婚式という面倒のラスボスには太刀打ちできない。
あらためて言っておくが、結婚式は“全部が面倒くさい”。
大事なことだから、もう一回言うが、結婚式は“全部が面倒くさい”。
だからこそ、大人になるための修練と思って、経験値を稼いでいこう。
◼︎テクニカルな話に戻ろう
服装については、悩む必要なし。スーツ一択である。
相手が多少ラフでも、こちらは下手に出ておくべき。
ネクタイをするかどうかくらいでOK。
◼︎話題に詰まるなら、土産を持て
場が詰まりそうなら、地元の手土産を持っていこう。それを切り口に、地元の話に持ち込めば勝てる。土地の話は、誰とでもできる安心の話題。
あ?地元が東京?いいんだよ。江東区だろうが、練馬区だろうが、特徴のない土地なんてもんはないんだ。ほんとになければ義父・義母側の生まれの話を聞こう。年上というのは年下からの自分のことについての質問が大好きだ。喜んでくれるぞ!
「関西だし vs 関東だし」「イントネーションあるある」みたいな、どうでもいい話をたくさん準備しておくのだ!
つまり、関係性が薄くても話せるネタは強い。
この場は、一定時間持ちこたえられれば100点の耐久ゲーム。
話題の持ち玉は、多めに持って臨もう。
準備に失敗する者は、失敗の準備をしているのと同じだ。
ベンジャミン=フランクリン(アメリカの福沢諭吉的な人)